父は西陣織の帯を織る会社を営んでいます。
大学時代から10年くらい、東京に住み、雑誌社の編集者であった父は、京都に戻り、帯の会社を受け継ぎ、
少し違った観点からこの伝統技術を見ていたのか、約8年前に、緻密な柄を再現することのできる西陣織の織技術を生かして、その伝統技術を知ってもらう、西陣織美術館である松翠閣
(しょうすいかく)を開いています。
これまで、帰省しても立ち寄ることがなかったのですが、
知ってしまうともっと知りたくなるのが悪い癖でして、、京都で五山の送り火を
観るために帰省した明くる日に訪れてみました。
元は材木屋の主人が建てた昭和初期の町家を改装した趣きある館内。
を撮り忘れました・・・
西陣織のジャカード織りの技術を生かした織りのインテリアを中心に、
フォーシーズン に分けてテーマを決め、展示しています。
高価な西陣織の帯ですが、まずは興味を持ってもらうことが大切。
平安時代から脈々と受け継がれてきた伝統技術を、絶やすことのないように、
世代を超えて打ち出したいと、帯だけでなく、切り口を増やしています。
高山寺の兎と蛙が戯れる鳥獣擬人画。
もちろん西陣織で再現されています。
二階には洋画が・・
西陣美術織絵画:『セーヌ川の舟遊び 』 ピエール・ オーギュスト・ルノワール(1841~1919)
ロンドン・ナショナルギャラリー蔵
この油絵のオイリー感も、織り技術なのです。
聞きますと、これら織りの作品作品は1800本の紋針ジャカード
(針1800本という意味)で織られているそうです。
正直言って、和と洋の融合って、
あんまり肯定派ではなかったのですが、、、要はバランスなんですね。
アメリカの歴史よりももっともっと深い歴史があることを痛切に感じました。
もっとしっかり、勉強したいと思います。
驚いたのが、若い世代の来館客が多いこと。
前日が五山の送り火ということもあってか、多くの人で賑わっていました。
陰陽師で有名になった清明神社 や、西陣織会館 、鶴屋吉信本店 なども近くにあるので、
観光コース になっているのだと思います。
二条城前のホテルの一室から撮影。
京都は四方を山に囲まれている上、景観保護で高いビルがないから、景色も綺麗です。
そして夜はいい場所で五山の送り火を観ました。
よく「大文字焼き」といわれますが、そう呼んでほしくはないそうです。
「おくり火」という言葉が大切で、御盆に迎えた先祖の霊を、迷わずに冥土へ戻れるように、
松明を灯して送る儀式から由来しているそうです。
神仏習合の意味を含む京都の盆地ならではの伝統を、よい場所で観ることができました。
40歳を手前に、京都の歴史を少しずつ、今更ながらも、
勉強をしていきたいと思っています。