アメリカンラヴァーにて「US TOUR JACKET」のネイビーバージョンを
ご購入いただいたお客様が集まるということで、急遽行ってまいりました。
エベッツフィールド で発売している1931MLB TOUR CAPは、実際にルー・ゲーリッグやフランク・フリッシュ選手が被ったものと同じデザインです。
アメリカンラヴァーさんでは数量限定にてお取り扱い中。
こちらは御馴染みのオーナー水戸氏。
コブラを見事に乗りこなしています。
US TOUR JACKETのご着用者は野球チーム結成まであと少しでしたが、
この日の時点で在庫はゼロ・・・
6チーム以上はざっと作れそうな枚数の別注だったのに・・・ 驚きました。
この日、多くのお客様と御話をさせていただきましたが、中でもとても印象に残ったのが、
名取市にお住まいのTさんのお話。
とても物静かな方で、前半は他のお客様が会話をされているのを、
寡黙に聞続けておられましたが、後半になり、お声をかけていただきました。
「藤木さん、僕の家、津波に遭ったんです」
「それで、大切にしていたこのブーツの、右側が無くなってしまったんですよ」
「そうなんですか・・・」
「部屋は二階に在ったので、洋服は大丈夫だったのですが、靴はほとんどだめになってしまって・・・」
「でも悔しくて、どうしても探したかったので、三日間探し続けました。そうしたら、ようやくヘドロの中から見つかったんです!」
「それで、何度も何度も泥を落として、水分を抜いて、脂を入れてを繰り返して・・・」
「ようやく右と左の色がぴったりに合って来たんですよ!」
「本当ですね!凄い!」
そう言ってとてもうれしそうな笑顔を浮かべるTさんの表情が印象的でした。
右足のシューズのアイレットには緑青が吹いていました。
大切に履きこんでいたブーツが片方だけ無くなってしまうなんて事は、
普通の生活ではありえない事です。
生命の危険を感じたであろう、不安なその時に、
大切なブーツの右足が無くなっている事に気付けるでしょうか?
感謝の思いで胸が一杯になります。
Tさんはきっと、このブーツを一生手放さないと思います。
私たちは、命をかけて探してもらえるような衣料を作っているのだと、
改めて深く考えさせていただく事が出来ました。
Tさん、アメリカンラヴァーに御集まりいただいた皆様、ありがとうございました。
またお会いしましょう!