シアトルで1980年代よりベースボールキャップを作り続けている
エベッツフィールドフランネルズとウエアハウスのcollaborationをご紹介します。
一見、通常ラインのエベッツフィールドのベースボールキャップに見えますが、
「孔」が違うのです。
こちら、「菊孔」と呼ばれる孔を開ける20世紀初頭のシンガー製のミシンを使って、
帽子のかがり穴を開けたものです。菊孔は、1950年代頃まで多くの衣料に使用されています。
ベースボールキャップ、シャンブレーのベンチレーション部分、1940年代の軍用腕時計のベルト孔、
レザージャケットのバックストラップの孔、レザージャケットの脇下の孔など、アイレットが打たれるような
箇所にみられます。
黒塗りのシンガーはもともと錆防止のために塗られた色。黒塗りのミシンはそれだけで古いんです。
その後茶色へと変更するのはユニオンスペシャルも同じです。
黒塗りのシンガー社のミシンは、なんとも優雅な音を出していますが、
これは日本に数台しか現存していないようで、メンテナンスが難しいため、
稼働しているものはもっと少ないといわれています。
実際に最近のアメリカ製品に菊孔が開けられているものは、見たことがありません。
このため、本国にも稼働するものは残っていないのかもしれません。
EBBETS FIELD FLANNELS ×WAREHOUSE KIKUANA BB CAP 2末~3月入荷予定 直営店限定商品
弊社ではメイドインUSAのエベッツフィールドにお願いし、
かがり穴部分の目打ちだけを入れて輸入、国内でこのシンガー社のミシンを用いて菊孔を開けさせてもらった訳です。
物作りを頑なにアメリカで行っているエベッツフィールドの社長、ジェリー・コーエン氏の
寛大な御心によりこのカスタムの許可が下りました。無理なお願を御相談いただいた
エベッツフィールドジャパンの代表、先崎氏にも感謝致します。
EBBETS FIELD FLANNELS (エベッツフィールドフランネルズ)
オーナーでありデザイナーのジェリー・コーエンは、幼少期からスポーツチームのエンブレムやユニフォームに興味をも ち、ベースボールカードから時代ごとのユニフォームの変化を学んで成長しました。
1987年、ジェリー・コーエンが所属していたロックバンドのステージ衣装にヴィンテージベースボールシャツを使おうとアメリカ中を探しました。納 得するものを見つけることはできず、ついには過去に使用されていたベースボールフランネルの生地にたどり着き、自分用のシャツを作りました。
ジェリー・コーエンがステージで着用しているそのヴィンテージフランネル素材のベースボールシャツを見た人から、
そのシャツを買いたいと言われたことが、EBBETS FIELD FLANNELSのはじまりです。
1988年にワシントン州シアトルで創業したEBBETS FIELD FLANNELSは、Negroリーグや1958年までのPacific Coastリーグを中心にしたコレクションを展開し、様々なメディアで注目される存在となりました。
ヴィンテージのWOOL CAPをはじめとしたベースボールコレクションをはじめ、フットボールやアイスホッケーのヴィンテージコレクションなど様々なヴィンテージスポーツウェアを展開するに至りました。
また、ヴィンテージベースボールキャップのパイオニアブランドとして、映画などへの衣装提供や世界の有名なブランドや
ストアのカスタムキャップを製造おこなっています。
現在もEBBETS FIELD FLANNELSのコレクションは、昔ながらの素材を使うだけでなく、昔のアメリカで行われていた生産行程にこだわって
アメリカで作りつづけられています。