カウボーイジャケットにまつわるおはなしです。
以前に、仕事をさせていただいてる方からお預かりした
LeeのCOWBOYJKTは、裾の縫いわせが全てほつれてしまっていました。
その裾を縫い合わせるというときに、塩谷から教わった事は、当時のLeeのCOWBOYJKTは地縫いをしていないから、パンクがしやすいということ。
当時のリーバイスのデニムジャケットは地縫いをしてから縫合しているのでパンクをすることはほとんどないが、当時のLeeのCOWBOYJKTはパンクがしやすいのだという話を聞きました。
今回、「凄いライナー付きのカウボーイを作ったね。」というありがたいお言葉をいただいた、 お世話になっているSPEC’S加藤さんから聞いた御話と見事に合致したのが、1940年代のはなし、 当時にカウボーイジャケットを購入したそのアメリカ人は、着用をしているうちに、 同じように裾がパンクしてしまったということ。
当時はLeeは100%修理保証をしていたので、その男性は戦争が終わったら、修理に出そうとお考えだったらしいが、 そのまま戦後も忘れてしまっていたそうで、やがてその方はお亡くなりになって、息子さんがカウボーイジャケットを売りに出したことによって、それは、日本にやってきたのだということ。
日本とアメリカ、そして数十年の時を隔てても、一枚のデニムジャケットの仕様を忠実に追うことは、 こういう時を超えた出会いを実現させてくれるのだと強く感じました。
復刻だ、レプリカだという言葉が負のイメージで表現される機会も少なくはありませんが、 このようなエピソードで、時を超えた答え合わせができるのならば、その言葉は また違う意味をもって語りかけてくれるのではないでしょうか。
だからこそ、限りなきディテールの追及は続くのだと思います。